RouteMagic Server インストール・ガイド -Version3.2-
3. RMSのインストール

本章では、Linux環境にRMSを新規インストールし、起動するまでに必要な作業を説明します。

既に稼動しているRMSの環境を本バージョンにアップグレードする場合は、 『4. RMS Version3.2へのアップグレード』を参照してください。

ここからの作業は、RMSの製品CD-ROMを必要とします。以下の作業は root 権限で行ってください。



3.1 準備作業

■ CD-ROMからのファイルのコピー

CD-ROMを挿入してrootでログインし、以下のコマンドを実行します。
export LANG=C
mkdir /tmp/rms
mount /mnt/cdrom                           ※1
cp -R /mnt/cdrom/packages/* /tmp/rms   ※2
umount /mnt/cdrom
cd /tmp/rms

※1 Red Hat Enterprise Linux AS4.0 / ES 4.0 では、CD-ROM のマウントポイントが /media/cdrom に変更されています。
※2 RMS V3.0.1より、RMSのインストールRPMパッケージは、RedHat Linux 7.2, 7.3, 9, AS2.1, AS3.0 すべて共通となりました。

以下、カレントディレクトリが /tmp/rms にあるものとして説明を行います。



3.2 Linux環境のチェック

以下のコマンドを実行してください。RMSのインストール・実行に問題がないかLinux環境の基本的なチェックが行われます。

sh rmssetup check
----------------
RMS Version3.2 Setup
Copyright (C) 2006 Routrek Networks, Inc. All rights reserved.
Usage: rmssetup {check|install|upgrade}
                 :
                 :
Environment check done.


環境に問題がある場合、" Error "や" Warning "に続いてメッセージが表示されます。メッセージに応じた対処を行った後、再度チェックを行ってください。

<よく出る警告メッセージとその対処法

Warning: 〜 is not activated by '/sbin/chkconfig'.

⇒ RMSに必要なサーバアプリケーションが、Linuxサーバ起動時に自動的に起動する設定になっていません。RMSを自動起動する設定にする場合は、先にそれらのサーバアプリケーションが自動的に起動しておく必要があります。「〜」で表示されているサーバアプリケーションを、/sbin/chkconfig コマンドで on に設定してください。

Warning: Comment out "AddDefaultCharset ISO-8859-1" in /etc/httpd/conf/httpd.conf

⇒ httpd.conf の中に、"AddDefaultCharset ISO-8859-1" または "AddDefaultCharset UTF-8 " という行が存在する場合に表示されます。この設定が有効になっている場合、RMSのWeb画面が文字化けする可能性があります。特別な理由がない場合は、行頭に # (シャープ) を付加してその行をコメントアウト("# AddDefaultCharset ISO-8859-1")することをお勧めします。なお、httpd.confを編集後は、設定を反映させるためにApache (httpd)を再起動してください。

<補足>
なお、本プログラムでは必要なサービスの起動状況などがチェックされますが、実際のネットワーク・メール環境が正常かどうかまではチェックされません。



3.3 RMS本体のインストール

以下のコマンドを実行し、RMSをインストールします。

sh rmssetup install
----------------
RMS Version3.2 Setup
Copyright (C) 2006 Routrek Networks, Inc. All rights reserved.
Usage: rmsinstall {check|install|upgrade}

Installing RMS...
Installing RMS 3.2.0 Hit [Enter] to start ... ← Enterキーを押す
                 :
                 :
Install finished.
----------------

<インストールが正常に終了した場合>

インストールが正常に行われた場合、" Install finished "が表示されます。
Linuxサーバ再起動時に、RMSを自動的に起動させるため、以下のコマンドを実行してください。
/sbin/chkconfig rms on

次に、以下のコマンドを実行してインストール時に使用したファイルを削除してください。
rm /tmp/rms/*
rmdir /tmp/rms
なお、インストール処理自体は終了しても、" Warning "に続いて警告メッセージが発生する場合があります。その場合、警告内容が問題ないかどうかチェックしてください。

<インストール時にエラーが発生した場合>
インストールの際にエラーがが発生した場合、" Error "や" Warning "に続いてメッセージが表示されます。メッセージに応じた対処を行った後、再度インストールプログラムを実行してください。



3.4 RMSの基本設定

RMSの設定は、rmsconfコマンドを使用して行います。rmsconfは、RMS Webインタフェースから変更ができない各種設定を行うためのコマンドです。
より高度な設定を行う場合は、 『5. 高度な設定』を参照してください。

■rmsconfの実行

/usr/sbin/rmsconf

上記のコマンドを実行すると、以下の項目を設定するよう求められます。メッセージにしたがって各項目の設定値を入力してください。
Enterのみを入力した場合、[ ] 内に表示されたデフォルト値が設定されます。

webdir rms-www の設定
webブラウザからアクセスする際のRMSのURLに関する設定です。
適切な設定値は、webサーバの設定に依存して変ります。

(例) http://server.example.co.jp/rms/

上記のURLでRMSのトップページが表示されるような設定では、/rmsとなります。

デフォルト値は、/rmsです。前述の手順通りに設定を行い、apacheの設定をカスタマイズしていない場合は、デフォルト値が正しい設定になります。

passphrase rms-core の設定
PGPによる電子メールの暗号化と認証を行う際に使用されます。PGP鍵を生成した時に設定したパスフレーズを設定してください。

PGPによる暗号化と認証を行わない場合は、空のパスワード(Enterキー)を入力してください。

systemmail、rms-mail、rms-core の設定
RMS自身が使用するメールアドレスです。通常は、デフォルト値(rms@"hostnameコマンドの実行結果")のままで OK です。

(例) rms@server.example.co.jp

※このメールアドレスは、PGPによる電子メールの暗号化と認証を行う際にも使用されます


ここまでの設定と内容の確認が完了したら、RMSの起動を行います。



3.5 RMSの起動

前述のインストールおよび設定をすべて完了した後、RMSを起動します。

■RMSの起動

以下のコマンドを実行し、RMSを起動します。

/etc/init.d/rms start

RMSはインストールしただけでは自動的に起動されません。Linuxサーバ起動時にRMSを自動的に起動させる場合は、次のコマンドを実行します。
/sbin/chkconfig rms on


■RMSの起動確認

次のようなコマンドを実行し、ログの内容を確認してください。

tail -30 /var/log/messages
RMSが正常に起動している場合は、以下のように、末尾に「RMS(バージョン番号) started successfully」と記録されます。

rmsctl: loading RMS native code library...OK
rmsctl: checking installed XML parser...OK
rmsctl: loading configuration file...OK
rmsctl: checking RMS locale...OK
rmsctl: confirming database connection...OK
rmsctl: confirming log files...OK
rmsctl: confirming PGP keys...OK
rmsctl: starting background units...OK
rmsctl: testing mail transmission...OK
rmsctl: testing mail reception...OK
rms: RMS Version 3.2.0.236 starting up [TCP Port 42000 - 42002]
rmsctl:
rmsctl: RMS 3.2.0.236 started successfully.

ログ中の各種テスト項目で「...OK」と記録されなかった場合、起動途中の自己チェック等でエラーが発生していると考えられます。
下記のようなコマンドによってsyslogの内容を参照し、問題の詳細を確認します。
grep rms /var/log/messages
問題の発生した箇所を修正後、/etc/init.d/rms restartを実行し、RMSを再起動してください。




3.6 RMS管理者情報とライセンス登録

前項までの作業が完了すれば、root権限によるLinux上での設定は終了です。以降の初期設定作業は、RMS管理者およびオーナ管理者としてWebインタフェース上で行います。

RMSの稼動を開始する前に、以下の作業が必要になります。

■RMSのURLを通知

RMSのURLはWebサーバの設定に依存しますが、これまでの手順に従って設定を行った場合は、次のようになります。

http://rmsのホスト名/rms/
http://rmsのホスト名/rms/admin.php (RMS管理者)
http://rmsのホスト名/rms/owner.php (オーナRMS管理者)

この情報をRMSを利用する管理者とオペレータに通知してください。

■ライセンスの登録

RMSを利用していただくには、ご購入時にルートレック・ネットワークスまたはご購入元の販売代理店から配布されたライセンスキーを登録する必要があります。ライセンスキーの登録作業は、「RMS管理者」の権限で行います。

■RMSの初期設定

1.2 事前準備」で記述したように、RMSの稼動を開始する前に、RMSを利用するユーザの情報を登録する必要があります。
RMS ユーザーズ・ガイド 』を参照して各々の役割をご理解いただいた上で、「RMS管理者」、「オーナ管理者」、「オペレータ」に関する設定情報を決定し、必要な登録作業を行ってください。

ライセンス登録の操作、およびRMSの初期設定作業の詳細に関しては、 『RMS ユーザーズ・ガイド 』を参照してください。


Back