2.3 Red Hat Enterprise Linux ES3.0/AS3.0
ここでは、RMSを導入するために必要な留意事項を踏まえた Red Hat Enterprise Linux ES3.0/AS3.0 のインストール方法をご説明します。以降の記述にある設定は基本例ですので、実際の運用と稼働環境に合わせて適切な設定を行っていただく必要があることにご注意ください。
2.3.1 Red Hat Enterprise Linux ES3.0/AS3.0 のインストール
■ Language Section
「Japanese (日本語)」を選択
■ キーボード設定
「Japanese」を選択 (※実際の環境に合わせて選択してください)
■ マウス設定
「ホィールマウス (PS/2)」を選択 (※実際の環境に合わせて選択してください)
■ ディスクパーティションの設定
「Disk Druid を使用して手動パーティション設定」を選択
下記はディスクパーティション設定の参考例です。
/boot |
ext3 |
100 MB |
/ |
ext3 |
最大許容量まで使用(5000 MB 以上) |
swap |
- |
256 MB (搭載メモリと同じ容量以上を推奨) |
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RMSのデータは /var に格納されるので /var のサイズを充分に(3000MB以上)確保してください。
パーティション分割方法例は上記の通りですが、詳細は Red Hat Linux のドキュメントを参照してください。 |
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■ ブートローダーの設定
(デフォルト値のまま)
■ ネットワークの設定
実際の環境に合わせて固定 IP アドレスまたは DHCP を設定してください。
- IPアドレス
- ネットマスク
- ネットワーク
- ブロードキャスト
- ホスト名 (※ホスト名は FQDN 形式(ドメイン名も含めた書式)で記述してください。)
- ゲートウェイ
- 1番目のDNS
■ ファイアウォール設定
「ファイアウォールを有効にする」を選択し、下記の項目をチェック
- WWW (HTTP)
- SSH
- Mail (SMTP)
※ Telnet, FTPなどは、必要に応じてチェックしてください。
■ 追加の言語
(デフォルト値「Japanese」のまま)
■ タイムゾーンの選択
(デフォルト値「アジア/東京」のまま)
■ Root パスワードの設定
(任意のパスワードを設定)
■ パッケージインストールのデフォルト
「インストールするソフトウェアパッケージをカスタマイズ」を選択し、必要な下記のパッケージを選択してください。
- 「Webサーバ」にチェック
- 「メールサーバ」にチェック
- 「DNSネームサーバ」にチェック
- 「SQLデータベース」にチェック
- 詳細で「rh-postgresql」にチェック
- 詳細で「rh-postgresql-server」にチェック
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OS のインストール一般に関する疑問点や問題点に関しては、Red Hat 社へお問い合わせください。 |
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2.3.2 メールの環境設定
この章では、RMS の運用に必要となる MTA 設定を説明します。なお、ここで記載している内容は RouteMagic を運用するにあたっての最低限の設定例となっておりますので、
実運用環境に導入する際は各 MTA のドキュメントにしたがってセキュリティ面等の設定を行ってください。
※以下の作業はすべて root 権限で行います。
■ Postfix の設定
下記のコマンドを実行して、使用するMTAをPostfixに変更します。
/usr/sbin/update-alternatives --config mta
以下のように表示されますので、"2"を入力してEnterキーを入力します。
There are 2 programs which provide 'mta'.
Selection Command
-----------------------------------------------
*+ 1 /usr/sbin/sendmail.sendmail
2 /usr/sbin/sendmail.postfix
Enter to keep the current selection[+], or type selection number: 2 ←"2"を入力
以下のコマンドを実行して、sendmailを停止します。
/etc/init.d/sendmail stop
/etc/postfix/main.cfの末尾に次の行を追加して保存します。
inet_interfaces = all
※その他の設定項目に関しては、Postfix添付のマニュアル、および解説書を参照して適切な設定を行ってください。
上記の行を追加した後、Postfixを起動します。
/etc/init.d/postfix start
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RMS V3.0.1 より以前のバージョン(V3.0.0 R2など)では次の設定も必要となります。
chown nobody.rms /usr/sbin/receive_mail
chmod 4755 /usr/sbin/receive_mail
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■ root 宛てメールの送信先指定
root 宛てのメールを Linux サーバ管理者が受信できるように設定します。 /etc/aliases ファイルの内容を次のように変更してください。
<変更前>
root: postfix
<変更後>
root: xxxxx ← Linuxサーバ管理者のアカウント名に変更
aliases ファイルを変更後は、必ず以下のコマンドを実行します。
newaliases
■ postconfコマンドによる設定変更の確認(参考)
MTAにPostfixを使用する場合は、postconfコマンドにより現在の設定内容を確認することができます。
/usr/sbin/postconf | grep ^my
<実行後の出力例>
mydestination = $myhostname, localhost.$mydomain
mydomain = hq.routrek.com
myhostname = demo.hq.routrek.com
mynetworks = 127.0.0.0/8 192.168.10.0/24
mynetworks_style = subnet
myorigin = $myhostname
Postfixは、自らが受信処理するべきアドレスとして@の右側部分とmydestinationに記述された文字を比較します。
上記の例では、以下のアドレスが受信処理するアドレスに該当します。
xxxx@demo.hq.routrek.com
xxxx@localhost.hq.routrek.com
その他の設定項目に関しては、Postfix添付のマニュアルおよび解説書をご参照ください。
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前記の設定以外に、使用するドメインのDNSサーバが適切に設定されている必要があります。
DNSの設定に関しては、DNSを管理する組織の担当者にご相談ください。 |
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2.3.3 データベース環境の設定
■ PostgreSQLの起動
次のコマンドにより、PostgreSQLを起動します。(Red Hat Enterprise Linux AS 3.0 / ES 3.0 では、サービス名が rhdb になっているので注意!)
/etc/init.d/rhdb start
PostgreSQLサーバが正常に起動された場合、下記の内容が表示されます。
Starting PostgreSQL - Red Hat Edition service: [ OK ]
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PostgreSQLは、インストールしただけでは起動されません。Linuxサーバ起動時にPostgreSQLを自動的に起動させる場合は、次のコマンドを実行します。
/sbin/chkconfig rhdb on
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/var/lib/pgsql/data/pg_hba.conf の末尾に次の行を追加します。
local rms rms trust
host rms rms 127.0.0.1 255.255.255.255 trust
/var/lib/pgsql/data/postgresql.conf の末尾に次の行を追加します。
tcpip_socket = true
上記の行を付加した後、PostgreSQLを再起動します。
/etc/init.d/rhdb restart
2.3.4 Web環境の設定
■ PHPの基本設定
/etc/php.ini の file_uploads, register_globals, short_open_tag の3項目を「On」と設定します。
(すでに「On」と設定されている項目は変更する必要はありません。)
file_uploads = On
register_globals = On
short_open_tag = On
■ Apacheの起動
次のコマンドにより、Apache (httpd) を起動します。
/etc/init.d/httpd start
Apacheが正常に起動された場合、下記の内容が表示されます。
Starting httpd: [ OK ]
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Apacheは、インストールしただけでは起動されません。Linuxサーバ起動時にApacheを自動的に起動させる場合は、次のコマンドを実行します。
/sbin/chkconfig httpd on
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2.3.5 Java実行環境の設定
■ CD-ROMからファイルをコピー
CD-ROMを挿入後、rootアカウントで以下のコマンドを実行し、JREのインストールファイルをハードディスクの適当な場所(/tmpなど)にコピーしてカレントディレクトリを移動します。
mount /mnt/cdrom
cp /mnt/cdrom/java/* /tmp
umount /mnt/cdrom
cd /tmp
以下、カレントディレクトリが /tmp にあるものとして説明を行います。
■ Java 2 Runtime Environment ライセンス情報の確認
下記のコマンド実行後に表示されるライセンス情報を確認して yes を入力し、アーカイブを展開します。
sh j2re-1_4_2_10-linux-i586-rpm.bin
■ Java 2 Runtime Environment のインストール
下記のコマンド実行し、Java 2 Runtime Environment をインストールします。
rpm -ivh j2re-1_4_2_10-linux-i586.rpm
■ Java 2 Runtime Environment のインストール確認
下記のコマンド実行し、Java 2 Runtime Environment が正常にインストールされたことを確認します。
/usr/java/j2re1.4.2_10/bin/java -version
インストールが正常に完了した場合、コマンド完了後、以下の内容が表示されます。
java version "1.4.2_10"
Java(TM) 2 Runtime Environment, Standard Edition (build 1.4.2_10-b03)
Java HotSpot(TM) Client VM (build 1.4.2_10-b03, mixed mode)