RouteMagic Server インストール・ガイド -Version3.2-
4. RMS Version3.2へのアップグレード

本章では、すでにインストールされている RMS (RMS Version 2.2.x以上)を RMS Version 3.2 にアップグレードする際に必要な作業に関してご説明します。なお、アップグレードの方法として、簡易版と通常版の2つをご説明します。重要な装置の監視に RMS を使用している場合、後者の方法をおすすめします。

アップグレードの際にデータベースの変換処理が行われるため、Version2へのダウングレードは不可能となります。
なお、「RMSからのアナウンス」のデータはアップグレード時に削除されます。

4.1 アップグレード前の準備

■ アップグレードの必要条件の確認

アップグレード作業を行う場合、以下の条件を満たしていることが前提となります。

∇RMS Version2.2.x 以上がインストールされ、正常に稼働していること
(RMS Version2.1またはそれ以前のバージョンの場合、まずRMS Version2.2へのアップグレードを行ってください)

∇root権限での作業が可能なこと

※ 以下のアップグレード作業はroot権限で実行してください。
≪CD-ROMからのファイルのコピー≫
CD-ROMを挿入してrootでログインし、以下のコマンドを実行します。

export LANG=C
mkdir /tmp/rms
mount /mnt/cdrom                           ※1
cp -R /mnt/cdrom/packages/* /tmp/rms   ※2
umount /mnt/cdrom
cd /tmp/rms
※1 Red Hat Enterprise Linux AS4.0 / ES 4.0 では、CD-ROM のマウントポイントが /media/cdrom に変更されています。
※2 RMS V3.0.1より、RMSのインストールRPMパッケージは、RedHat Linux 7.2, 7.3, 9, AS2.1, AS3.0 すべて共通となりました。

以下、カレントディレクトリが /tmp/rms にあるものとして説明を行います。



4.2 アップグレード作業手順(簡易版)
簡易アップグレード作業手順では、RMSのアップグレードに際してのデータベースバックアップなどを行いません。また、アップグレードの際にデータベースの変換処理が行われるため、Version2へのダウングレードは不可能となります。

重要な装置の監視にRMSを使用している場合は、 『4.3 アップグレード作業手順(通常版)』を参照してください。

@ 環境のチェック

以下のコマンドを実行してください。RMSのアップグレード・実行に問題がないかLinux環境の基本的なチェックが行われます。
sh rmssetup check
----------------
RMS Version3.2 Setup
Copyright (C) 2006 Routrek Networks, Inc. All rights reserved.
Usage: rmssetup {check|install|upgrade}
                 :
                 :
Environment check done.
----------------
環境に問題がある場合、" Error "や" Warning "に続いてメッセージが表示されます。メッセージに応じた対処を行った後、再度チェックを行ってください。

A アップグレードプログラムの実行
以下のコマンドを実行し、RMSのアップグレードを行います。
sh rmssetup upgrade
----------------
RMS Version3.2 Setup
Copyright (C) 2006 Routrek Networks, Inc. All rights reserved.
Usage: rmssetup {check|install|upgrade}

Upgrading RMS to 3.2.0 Hit [Enter] to start ... ← Enterキーを押す
Stopping RMS ...
                 :
                 :
Restarting RMS ...
Upgrade finished.
----------------
  
<アップグレードが正常に終了した場合>
インストールが正常に行われた場合、" Upgrade finished "が表示されます。その後、RMSは自動的に再起動し、停止中に受信したメールの処理を行います。なお、アップグレード処理自体は終了しても、" Warning "に続いて警告メッセージが発生する場合があります。その場合、警告内容が問題ないかどうかチェックしてください。

<インストール時にエラーが発生した場合>
インストールの際にエラーがが発生した場合、" Error "や" Warning "に続いてメッセージが表示されます。メッセージに応じた対処を行った後、アップグレードプログラムを再度起動してください。



4.3 アップグレード作業手順(通常版)

@ 環境のチェック

以下のコマンドを実行してください。RMSのアップグレード・実行に問題がないかLinux環境の基本的なチェックが行われます。
sh rmssetup check
----------------
RMS Version3.2 Setup
Copyright (C) 2006 Routrek Networks, Inc. All rights reserved.
Usage: rmssetup {check|install|upgrade}
                 :
                 :
Environment check done.
----------------
環境に問題がある場合、" Error "や" Warning "に続いてメッセージが表示されます。メッセージに応じた対処を行った後、再度チェックを行ってください。

A RMS設定ファイルのバックアップ
# cp /etc/rms/rms_init.conf [設定ファイルを保存するディレクトリ名]

B メール受信設定の変更
以下のコマンドを起動してください。
/usr/sbin/rmsconf --low
起動後、"set connectflag value is [1]: "と表示されるまでEnterキーを押してください。上記文字列が表示されたら、"0"を入力し、Enterキーを押します。それ以降の項目に関しても、Enterキーを押してください。この設定により、RMS停止中にRMCから受信したメールを保存するようになります。

C RMSの停止
以下のコマンドにより、稼動中のRMSを停止します。
# /etc/init.d/rms stop

D データベースとPGP鍵のバックアップ
以下の手順でデータベースとPGP鍵のバックアップをとります。
# /usr/sbin/rmssl low
# su - rms
$ /usr/sbin/rmsbackup [バックアップファイル名]
$ /usr/sbin/rmskeyexport [PGP鍵を保存するディレクトリ名]
$ exit

E アップグレードプログラムの実行
以下のコマンドを実行し、RMSのアップグレードを行います。
sh rmssetup upgrade
----------------
RMS Version3.2 Setup
Copyright (C) 2006 Routrek Networks, Inc. All rights reserved.
Usage: rmssetup {check|install|upgrade}

Upgrading RMS to 3.2.0 Hit [Enter] to start ... ← Enterキーを押す
Stopping RMS ...
                 :
                 :
Restarting RMS ...
Upgrade finished.
----------------

<アップグレードが正常に終了した場合>
インストールが正常に行われた場合、" Upgrade finished "が表示されます。その後、RMSは自動的に再起動し、停止中に受信したメールの処理を行います。なお、アップグレード処理自体は終了しても、" Warning "に続いて警告メッセージが発生する場合があります。その場合、警告内容が問題ないかどうかチェックしてください。

<インストール時にエラーが発生した場合>
インストールの際にエラーがが発生した場合、" Error ""に続いてメッセージが表示されます。メッセージに応じた対処を行った後、アップグレードプログラムを再度起動してください。


以上で、RMS Version3.2へのアップグレード処理は完了です。


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