2.2 Red Hat Enterprise Linux AS 2.1 (Red Hat Advanced Server 2.1)
ここでは、RMSを導入するために必要な留意事項を踏まえた Red Hat Enterprise Linux AS 2.1 のインストール方法をご説明します。以降の記述にある設定は基本例ですので、実際の運用と稼働環境に合わせて適切な設定を行っていただく必要があることにご注意ください。
2.2.1 Red Hat Enterprise Linux AS 2.1 のインストール
■ Language Section
「Japanese」を選択
■ キーボード設定
モデル: 「Japanese 106-key」を選択
レイアウト: 「Japanese」を選択
デッドキー: 「デッドキーを有効にする」を選択
(※実際の環境に合わせて選択してください)
■ マウス設定
「Generic - 3 Button Mouse (PS/2)」を選択 (※実際の環境に合わせて選択してください)
■ インストールオプション
「Advanced Server」を選択
■ パーティション分割方法の選択
「Disk Druid を使用して手動でパーティション設定」を選択
下記はディスクパーティション設定の参考例です。
/boot |
ext3 |
100 MB |
/ |
ext3 |
最大許容量まで使用(5000 MB 以上) |
swap |
- |
256 MB (搭載メモリと同じ容量以上を推奨) |
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RMSのデータは /var に格納されるので /var のサイズを充分に(3000MB以上)確保してください。
パーティション分割方法例は上記の通りですが、詳細は Red Hat Linux のドキュメントを参照してください。 |
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■ ブートローダインストール
(デフォルト値のまま)
■ GRUB パスワード
(必要に応じて設定してください)
■ ネットワークの設定
実際の環境に合わせて固定 IP アドレスまたは DHCP を設定してください。
- IPアドレス
- ネットマスク
- ネットワーク
- ブロードキャスト
- ホスト名 (※ホスト名は FQDN 形式(ドメイン名も含めた書式)で記述してください。)
- ゲートウェイ
- 1番目のDNS
■ ファイアウォール設定
セキュリティレベル 「中」
カスタマイズ (下記の項目にチェック)
- SSH
- WWW (HTTP)
- Mail (SMTP)
※ DHCP, Telnet, FTPなどは、必要に応じてチェックしてください。
■ 言語サポートの選択
(デフォルト値「Japanese」のまま)
■ タイムゾーンの選択
(デフォルト値「アジア/東京」のまま)
■ アカウントの設定
(任意の root パスワードを設定。必要に応じてアカウントを追加)
■ パッケージグループの選択
「個々のパッケージを選択」にチェック
■ 個々のパッケージの選択
- アプリケーション
- データベース
- 「postgresql」にチェック
- 「postgresql-libs」にチェック
- 「postgresql-server」にチェック
- 開発
■ ビデオカードの設定
(環境に合わせて設定)
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OS のインストール一般に関する疑問点や問題点に関しては、Red Hat 社へお問い合わせください。 |
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2.2.2 メールの環境設定
この章では、RMS の運用に必要となる MTA 設定を説明します。なお、ここで記載している内容は RouteMagic を運用するにあたっての最低限の設定例となっておりますので、
実運用環境に導入する際は各 MTA のドキュメントにしたがってセキュリティ面等の設定を行ってください。
※以下の作業はすべて root 権限で行います。
■ sendmail の設定
/etc/mail/sendmail.mc を以下のように編集して保存します。
DAEMON_OPTIONS(`Port=smtp,Addr=127.0.0.1, Name=MTA')
上記の行の先頭に"dnl "を付加して以下のようにします。
dnl DAEMON_OPTIONS(`Port=smtp,Addr=127.0.0.1, Name=MTA')
m4コマンドを実行し、sendmail.cfファイルを生成します。
m4 /etc/mail/sendmail.mc > /etc/sendmail.cf
/etc/smrshディレクトリに移動し、receive_mailコマンドへのシンボリックリンクを作成します。
(すでに存在する場合は作成する必要はありません)
cd /etc/smrsh
ln -s /usr/sbin/receive_mail receive_mail
/etc/aliasesファイルの末尾に以下の行を追加して保存します。
(すでに追加されている場合は作成する必要はありません)
rms: "|/usr/sbin/receive_mail"
newaliasesコマンドを実行します
newaliases
sendmailを再起動します
/etc/init.d/sendmail restart
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RMS V3.0.1 より以前のバージョン(V3.0.0 R2など)では次の設定も必要となります。
chown nobody.rms /usr/sbin/receive_mail
chmod 4755 /usr/sbin/receive_mail
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■ root 宛てメールの送信先指定
root 宛てのメールを Linux サーバ管理者が受信できるように設定します。 /etc/aliases ファイルの内容を次のように変更してください。
<変更前>
root: postfix
<変更後>
root: xxxxx ← Linuxサーバ管理者のアカウント名に変更
aliases ファイルを変更後は、必ず以下のコマンドを実行します。
newaliases
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前記の設定以外に、使用するドメインのDNSサーバが適切に設定されている必要があります。
DNSの設定に関しては、DNSを管理する組織の担当者にご相談ください。 |
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2.2.3 データベース環境の設定
■ PostgreSQLの起動
次のコマンドにより、PostgreSQLを起動します。
/etc/init.d/postgresql start
PostgreSQLサーバが正常に起動された場合、下記の内容が表示されます。
Starting postgresql service: [ OK ]
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PostgreSQLは、インストールしただけでは起動されません。Linuxサーバ起動時にPostgreSQLを自動的に起動させる場合は、次のコマンドを実行します。
/sbin/chkconfig postgresql on
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/var/lib/pgsql/data/pg_hba.conf の末尾に次の行を追加します。
local rms trust
host rms 127.0.0.1 255.255.255.255 trust
/var/lib/pgsql/data/postgresql.conf の末尾に次の行を追加します。
tcpip_socket = true
上記の行を付加した後、PostgreSQLを再起動します。
/etc/init.d/postgresql restart
2.2.4 Web環境の設定
■ PHPの基本設定
/etc/php.ini の file_uploads, register_globals, short_open_tag の3項目を「On」と設定します。
(すでに「On」と設定されている項目は変更する必要はありません。)
file_uploads = On
register_globals = On
short_open_tag = On
■ Apacheの起動
次のコマンドにより、Apache (httpd) を起動します。
/etc/init.d/httpd start
Apacheが正常に起動された場合、下記の内容が表示されます。
Starting httpd: [ OK ]
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Apacheは、インストールしただけでは起動されません。Linuxサーバ起動時にApacheを自動的に起動させる場合は、次のコマンドを実行します。
/sbin/chkconfig httpd on
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2.2.5 Java実行環境の設定
■ CD-ROMからファイルをコピー
CD-ROMを挿入後、rootアカウントで以下のコマンドを実行し、JREのインストールファイルをハードディスクの適当な場所(/tmpなど)にコピーしてカレントディレクトリを移動します。
mount /mnt/cdrom ※1
cp /mnt/cdrom/java/* /tmp
umount /mnt/cdrom
cd /tmp
以下、カレントディレクトリが /tmp にあるものとして説明を行います。
■ Java 2 Runtime Environment ライセンス情報の確認
下記のコマンド実行後に表示されるライセンス情報を確認して yes を入力し、アーカイブを展開します。
sh j2re-1_4_2_10-linux-i586-rpm.bin
■ Java 2 Runtime Environment のインストール
下記のコマンド実行し、Java 2 Runtime Environment をインストールします。
rpm -ivh j2re-1_4_2_10-linux-i586.rpm
■ Java 2 Runtime Environment のインストール確認
下記のコマンド実行し、Java 2 Runtime Environment が正常にインストールされたことを確認します。
/usr/java/j2re1.4.2_10/bin/java -version
インストールが正常に完了した場合、コマンド完了後、以下の内容が表示されます。
java version "1.4.2_10"
Java(TM) 2 Runtime Environment, Standard Edition (build 1.4.2_10-b03)
Java HotSpot(TM) Client VM (build 1.4.2_10-b03, mixed mode)